2010年03月15日
刺し子ワークショップ
先日、刺し子ワークショップに参加しました
会場のお宅に伺うと、玄関に品の良い草履が。
「あさって、90歳の誕生日。」という、先生が木綿の着物をお召しでおいででした。
はじめに、刺し子についての先生の文章をいただきました。
毎日の暮らしと
切っても切れない
ふきん
その素材はもめん
それは真夏の太陽の光を充分受け
心行くばかり成熟して
純白の綿は生まれるのです
まさに太陽からのプレゼントとも言えます
もめんの素朴な感触もさることながら
洗うほどに白くなる
乾いている時より
ぬれている時が何割か強度が増す
強くしぼる時気持ちが安らぐそのやさしい響き
大丈夫
最近の消毒漂泊作用のため
空気の綺麗な強い日光に長時間干す
それでやわらかく実に肌ざわりがよい
限りなく安らぎの世界へ誘う
道具を美しく守り 包み 拭き 静かに休める
生活の友として生きてきた
ふきん
何度も見ずにつかりしぼられてなお
美しき持手により命がふきこまれ
一日ゝの楽しみを別ち合う
美しき日々の伴侶としたい
これを戦後まもなく書かれたというのですから、何という心の余裕でしょう
机の上には、赤い刺し子糸と、真っ白な”保田織”という四国の織物が用意されていました。
私はたまたま持っている色とりどりの糸で
やったことない模様を刺してみたいなあ~なんて思っていたのですが、
先生が
「白いもめんに赤の麻の葉模様のふきんが基本です
」
とビシーっと言われるのを聞いて、
「たしかに、プレゼントするばかりで自分では持っていないし、やっぱり基本からにしよう。」
と思い直しました。
「自分で刺した真っ白に赤い糸のふきんが台所にあったら、このふきんを綺麗に保ちたいと思うでしょう。
それが家を引き締めるおへそとなる。」
って。なるほど~
ほかにも、
「『衣食住』と言う。衣が一番先なんです。」
「絹の着物を着ていても、一番下にはもめんの肌着を身に着けるもの。
洋服の暮らしでは合繊の方向に流れがち。」
「藍はヨーロッパの気候では育たない。」
「運針は運をはこぶ(進める)こと。」
などなど、目からウロコの話ばかり!
熱く語っていた先生でしたが、実際刺し始めると、
ニコニコ目を細めながら黙って子守に徹していらっしゃいます。
「ここはどうするんですか?」
などと質問すると、
「好きなように縫ってみればよろしいんです。」
「ふきんがぬれて、しぼった時にどうなるか、自分で想像して布の余裕まで考えて縫ってみなさい。
やってみてだめだったら次に作る時工夫すること。」
「本はどのようにか説明しなきゃならないから一応書いてあるだけで、
それぞれがそれぞれのやりやすいやり方を見つければいいんです。」
と、これまだビシーっ
たしかに、技術的なことは本を見れば載っているけれど、
やりながら、手になじむやり方で、我が家なりのふきんを手から生み出していく、
それが家事全般、生き方につながっていく、ということをおっしゃっていたように思います。
帰宅して、早速糸を追加で買ってきて続きを刺しました。
糸が途切れれば「あの角まで」と思い、
角に到達すれば「この糸がなくなるところまで」と思い、
刺し子ってキリがありません。一週間ほどチクチクをちまちま続けて、先程完成☆


会場のお宅に伺うと、玄関に品の良い草履が。
「あさって、90歳の誕生日。」という、先生が木綿の着物をお召しでおいででした。
はじめに、刺し子についての先生の文章をいただきました。
毎日の暮らしと
切っても切れない
ふきん
その素材はもめん
それは真夏の太陽の光を充分受け
心行くばかり成熟して
純白の綿は生まれるのです
まさに太陽からのプレゼントとも言えます
もめんの素朴な感触もさることながら
洗うほどに白くなる
乾いている時より
ぬれている時が何割か強度が増す
強くしぼる時気持ちが安らぐそのやさしい響き
大丈夫
最近の消毒漂泊作用のため
空気の綺麗な強い日光に長時間干す
それでやわらかく実に肌ざわりがよい
限りなく安らぎの世界へ誘う
道具を美しく守り 包み 拭き 静かに休める
生活の友として生きてきた
ふきん
何度も見ずにつかりしぼられてなお
美しき持手により命がふきこまれ
一日ゝの楽しみを別ち合う
美しき日々の伴侶としたい
これを戦後まもなく書かれたというのですから、何という心の余裕でしょう

机の上には、赤い刺し子糸と、真っ白な”保田織”という四国の織物が用意されていました。
私はたまたま持っている色とりどりの糸で
やったことない模様を刺してみたいなあ~なんて思っていたのですが、
先生が
「白いもめんに赤の麻の葉模様のふきんが基本です

とビシーっと言われるのを聞いて、
「たしかに、プレゼントするばかりで自分では持っていないし、やっぱり基本からにしよう。」
と思い直しました。
「自分で刺した真っ白に赤い糸のふきんが台所にあったら、このふきんを綺麗に保ちたいと思うでしょう。
それが家を引き締めるおへそとなる。」
って。なるほど~

ほかにも、
「『衣食住』と言う。衣が一番先なんです。」
「絹の着物を着ていても、一番下にはもめんの肌着を身に着けるもの。
洋服の暮らしでは合繊の方向に流れがち。」
「藍はヨーロッパの気候では育たない。」
「運針は運をはこぶ(進める)こと。」
などなど、目からウロコの話ばかり!
熱く語っていた先生でしたが、実際刺し始めると、
ニコニコ目を細めながら黙って子守に徹していらっしゃいます。
「ここはどうするんですか?」
などと質問すると、
「好きなように縫ってみればよろしいんです。」
「ふきんがぬれて、しぼった時にどうなるか、自分で想像して布の余裕まで考えて縫ってみなさい。
やってみてだめだったら次に作る時工夫すること。」
「本はどのようにか説明しなきゃならないから一応書いてあるだけで、
それぞれがそれぞれのやりやすいやり方を見つければいいんです。」
と、これまだビシーっ

たしかに、技術的なことは本を見れば載っているけれど、
やりながら、手になじむやり方で、我が家なりのふきんを手から生み出していく、
それが家事全般、生き方につながっていく、ということをおっしゃっていたように思います。
帰宅して、早速糸を追加で買ってきて続きを刺しました。
糸が途切れれば「あの角まで」と思い、
角に到達すれば「この糸がなくなるところまで」と思い、
刺し子ってキリがありません。一週間ほどチクチクをちまちま続けて、先程完成☆
端に紐を付けて、食器拭きにしようと思います
また、森のようちえんの親の会「びごーる」でも、暖かくなったら刺し子しよ!という話になっていますし、
所属する「友の会」の最寄でも、来年度の生活勉強として
一年を通じて刺し子のふきんを縫っていくことになりました。
なんだか、刺し子づいた一年になりそうです♪
Posted by みみもと at 23:30│Comments(4)
│グッズ
この記事へのコメント
刺し子のレポート、感動しました。
感動しすぎてこの日の記事、
プリントアウトしてボードに貼ってます・・・。
こういうことは、私を含めた「ニッポンの母達」が
ちゃんと次代へと伝えていかないと
いけないんですよね~(^^;)
感動しすぎてこの日の記事、
プリントアウトしてボードに貼ってます・・・。
こういうことは、私を含めた「ニッポンの母達」が
ちゃんと次代へと伝えていかないと
いけないんですよね~(^^;)
Posted by 本田屋女将 at 2010年03月18日 08:46
女将様
ほんとですか!感激です☆
この記事に限って写真のあたりの文章がズレてた><ので直しました。
よかったらプリントし直してくださいませ^^;
ほんとですか!感激です☆
この記事に限って写真のあたりの文章がズレてた><ので直しました。
よかったらプリントし直してくださいませ^^;
Posted by mimi
at 2010年03月18日 10:33

いやほんと、がーんと来た!
生活の友とするってこういうことかと、
頭で思っていることと実際が違うときに感じる違和感の理由がわかった気がした。
刺し子と出会って、自分の中で何かまた大きなゆらぎがありそうな気がします。
すばらしい一本のエッセイです!
やっぱりみみもとちゃんには、いつか本を出して欲しい!!!
生活の友とするってこういうことかと、
頭で思っていることと実際が違うときに感じる違和感の理由がわかった気がした。
刺し子と出会って、自分の中で何かまた大きなゆらぎがありそうな気がします。
すばらしい一本のエッセイです!
やっぱりみみもとちゃんには、いつか本を出して欲しい!!!
Posted by かおり at 2010年03月19日 23:04
かおりさん
私の文章がいいんじゃなくて、先生のが素晴らしいんですよ~^^;
ワークショップに行くまでは、単に「刺し子って楽しいよね~」くらいにしか思っていなかったのでほんっと勉強になりましたし、フェアトレードの会社に居た頃よく耳にしていた「和綿」のという言葉を久方ぶりに聞いて、とっても嬉しくなりました。
かおりさんの感性の賜物です☆ありがとうございました。
私の文章がいいんじゃなくて、先生のが素晴らしいんですよ~^^;
ワークショップに行くまでは、単に「刺し子って楽しいよね~」くらいにしか思っていなかったのでほんっと勉強になりましたし、フェアトレードの会社に居た頃よく耳にしていた「和綿」のという言葉を久方ぶりに聞いて、とっても嬉しくなりました。
かおりさんの感性の賜物です☆ありがとうございました。
Posted by mimi at 2010年03月20日 06:36